福祉社会学会第11回大会における報告募集


■第11回大会のテーマセッション報告と自由報告の募集について

 福祉社会学会第11回大会が2013年6月29日(土)・30日(日)に立命館大学衣笠キャンパス(京都市北区等持院北町56-1)にて開催されます。そこで、下記の通り自由報告部会とテーマセッションにおける報告を募集いたしますので、奮ってご応募ください。なお、報告時間は1人40分を持ち時間とし、30分発表、10分討論を標準としますが、申込み数によって調整をお願いすることもあります。

 テーマセッション報告は、下記のテーマセッションの趣旨にて報告を募集するものです。申込み状況により、コーディネーターの方が報告採択をおこないますが、万一、テーマセッションで報告できない場合も自由報告部会で報告することが可能です。

 自由報告またはテーマセッション報告をご希望の方は、下記のURLにて、申込要領・申込書などをご確認のうえ、指示にしたがって、申し込んでください。

●申込要領概要

 募集は電子メールのみの受付になります。期限はメールの受信時点です。

★「申込書」の応募締め切り・・2013年3月20日(水)
提出先:担当研究委員・三井さよ(法政大学)・菊地英明(武蔵大学)・土屋葉(愛知大学)
     jwsa2012@yahoogroups.jp
(募集は電子メールのみの受付になります。期限はメールの受信時点)

★申込時に提出していただく物
  申込書(摘要200字を含む):上記ウェブページよりWordファイルをダウンロードして必要事項を記入したものをメールに添付して送信してください。

    報告申込書はこちらから

★申し込み者には受領通知を電子メールにて返信します。3月21日(木)までに返信がない場合は、三井さよ(法政大学)までご連絡ください。
(上記メールアドレス、またはs-mitsui★hosei.ac.jp、TEL 042-783-2373)(※★を@に変えてください。)

●予稿原稿の提出について(報告予定者の方々へ)

★「予稿集原稿(A4版2枚)」の提出期限は4月3日(水)となります。お間違いならびに提出遅れのないようにお願いいたします。以下の「予稿イメージ図」の書式にしたがって記入したWordファイルをメールに添付して送信してください。

提出先:担当研究委員・三井さよ(法政大学)・菊地英明(武蔵大学)・土屋葉(愛知大学)
    jwsa2012@yahoogroups.jp

    予稿イメージ図はこちらから


■第11回大会へ応募があったテーマセッションとその趣旨

★「新しい貧困」をめぐる社会理論と政策対応
  コーディネーター:小沢修司会員(京都府立大学)

 趣旨: このセッションでは、「新しい貧困」と称される現代的な貧困や格差の特徴を理論的・実証的に分析するとともに、それを克服しようとする運動や政策の課題を明らかにしたい。

 社会的権利(社会権)は福祉請求権ともいわれ、国家が福祉を保障することを、規範的にも実定法的にも裏付けてきた。しかし社会的権利を中核とする福祉国家は、(1)福祉依存を生み財政的危機をもたらす、(2)その内部に「二級市民」をつくりだす、(3)その外部に「非‐市民」を排除する、といった批判を受けてもいる。(1)はいわゆる新自由主義的な主張であり、社会的権利が過剰であるとして、その縮減、また福祉受給者の態度や資質の改善が必要であるとする。(2)は女性や障がい者、若者らが十全な市民として扱われていないという批判であり、(3)は外国籍者の国籍取得や就労が困難である、保障される権利が著しく制限されているといった批判である。

 二級市民も非‐市民も、社会的権利が十全に保障されず、労働市場に適切に包摂されないことから、貧困に陥りやすい。グローバル化の時代といわれるいま、二級市民の問題と非‐市民の問題は分かちがたい。

 しかし、これを克服しようとする運動や政策は困難に直面している。日本を含む近年の「先進」諸国では、しばしば新自由主義が(2)、(3)のような批判をも糾合するかたちでそのヘゲモニーを確立している。社会的権利の拡充がむずかしい状況のもと、(2)のような批判を「アンダークラス」や「既得権益層」、「外国人」への攻撃として組織したり、(3)のような批判を規制緩和の論拠としたりするのである。

 本セッションでは、こうした現状の分析する際の理論枠組みとして、シティズンシップ論や社会的排除論に、それを克服する方向性として、社会的包摂論や互酬性の理論、ケイパビリティ・アプローチに注目する。また、ワークフェアやアクティベーション、ベーシック・インカムといった政策案がどのように位置づけられるかを検討したい。


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